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レビュー情報
U2はアイルランドの高校のバンドから出発したグループとしては破格の成功をおさめ現在に至る。 世界最大のロックバンドと称されることも多い彼らへの思いは複雑。 軽やかなカッティング・ギターを聴かせるエッジは好ましくとも、粘りつくような強烈な個性を放つボノは要とはいえかならずしも得意ではなかったし、政治色・宗教色をも内包する熱きメッセージバンドであることも自分好みとはいえず、90年代、00年代で音と彼らのイメージも変化した。 80年代の曲を集めたベスト盤が90年代のそれよりも3倍近く売れているという事実は、最初の10年の活動が今も忘れられていない証拠であるかもしれない。 その最も支持を集めた「ヨシュア・トゥリー」の時期の彼らをとらえたドキュメンタリー。 ラリーはこの映画は音楽探求の旅だという。 その旅にはツアーに加え、ハーレムの教会やB.B.キング、エルヴィスが眠るグレイスランドも含まれている。 シックなモノクロ映像の半ばにカラーパート(「ブレードランナー」のジョーダン・クローネンウェスが撮る)が挿し込まれるのが効果的で、音楽と同時に光と影があやなす映像が素晴らしい。 エッジは黙々と自分の役目を果たし、入魂としかいいようのない風情で歌いあげるボノ。 この時から長い年月が流れた。 エッジが出演した「ゲット・ラウド」(08)の監督デイヴィス・グッゲンハイムは、U2の久々となる映画を撮って今年公開しており、そちらも見てみたい。
【レイン】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-11-10 07:00:03)
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