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《ネタバレ》 「もう片方の顔」について色々考えていましたが下のBOWWOWさんのコメントを読んでやっとスッキリしました。それで物事の片側だけしか見ようとしない、見る事の出来ない、そんな成長しきっていないヒロキに対して風呂での父親の言葉「全部を好きになれ」が重要な役割を果たしてくるんですね。百合子さんの「もう片方の顔」も気になります。幼い頃はピアノを習うような優雅な生活を送っていたのに「これ、母の形見なんです」、店の人の台詞「お父様の具合はどうですか?」、魚の値段を聞いて「やっぱり1匹にしてください」等のくだりを見ていても現在は相当苦しい生活なんだなと想像がつきます。由緒正しい寺の一人息子をそんな家に招きたくない恥ずかしさ、乙女心が伝わってきました。
ラストにヒロキの将来が映し出されますが、これは想像なのか実際の出来事なのか分かりません。ただ、ヒロキの母親がそうであったようにヒロキも百合子さんによく似た女性と結婚して娘を授かり「百合子」と名付けているのではないでしょうか。そして高校2年生になったヒロキの娘「百合子」はピアノでショパンの別れの曲を弾きます。ピアノの上には、おそらく彼女に恋した少年からもらったであろうオルゴールが置かれてあり、それを見てニコニコします。かつて橘百合子がヒロキにもらったオルゴールを見て一晩中ニコニコしていたように…。時をかける少女ならぬ、時をかけるさびしんぼうと言ったところでしょうか。ここでも大林監督のパラレルワールドが見事に炸裂してると思います。 【恵比寿Premium】さん [DVD(邦画)] 10点(2010-01-18 22:18:03)(良:1票)
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