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《ネタバレ》 「明日のない日本の〝現代社会〟なんて」「〝アメリカ(教師のあだ名!)〟のせいじゃない」などなど、ジャムフィルム以来の例の行定節が冒頭から展開され…突如として、特攻隊の生き残りを登場させる。かなりあざといというか、ベタすぎると思いますが。
「こんな世の中」は生きる価値がない、と言う子供たち。「こんな」って、「どんな」よ。 「こんな」が「世の中」の枕詞として当たり前に機能するというのは、「ガキの社会」です。「こんな世の中」というのは、未だ社会の構成員となっていないために己の所属する社会に対して何らの責任を負わぬ「ガキのセリフ」に他なりません。それは例えれば、不潔でボロボロのホテルに有無を言わさず案内され、「ここで寝ろ」と言われた時に、ツアーの客が抱く感想に似ているかもしれない。「えっここで寝るんですかあ?」。 よって、「こんな世の中、生きる価値がない」と子供が言う場合は、「ええー、こんな不潔なホテルで寝るのはイヤだなあ…」というような意味である。 ティーンエイジャーたちにとって、とりあえず今の世の中は「ボロボロのホテル」に見えているらしい。ということに〝行定ワールド〟では「なっている」。 けれど、今回「ユビサキ」を見て思ったのは、「こんな」と言われた時に、それが子供の発言であったなら、同調するのは大人のすることではないということだ。 「ボロボロのホテル」が本当はどんなものなのか、それを知っているどころか加担しているのが社会の構成員たる大人なのだから、大人が「こんな世の中」と一緒になって思ってはいけないのだ。 私は行定監督とはほぼ同年代だけれど、この年まで「こんな世の中」に参加してきたからには、「こんな世の中に対して、己の責任が全く無い」などとは思えないし、かといって子供から「こんな」と言われて「ごめんね」と謝る気もないけど監督はどうなんだろう。「オレとは全く関係のないところで、世の中はまわってきたんだもんね。そんで〝こんな〟になっちゃったわけよ。〝こんな〟舞台を用意された子供たちって、運が悪いっつうか、可哀想だよね。」…私は「ユビサキ」を見て、そんな感じがしちゃったんだなあ。 ダメだと思うよ、それは。それに、「こんな」と言っている子供と、「明日をも知れぬ特攻兵」を比べる…ダメだその感じ。 母子家庭で母水商売の子が飯田香織に似ていると思ったがこの子はなかなかよかったかな。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2007-11-10 19:25:28)
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