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《ネタバレ》 社会派・問題提起ドラマとしては抑え気味な演出で、決して扇動的な内容ではありません。それがかえってリアリティを感じさせます。作品の構成は、裁判と鉱山そしてジョージーの過去が交錯しながら進んでいき次第に裁判の比重が大きくなりますが、決してわかりにくいことはなく無駄なシーンもありません。ジョージーと父、また息子との理解しがたい関係も、ドラマが進行するにつれてその理由が明らかになってきます。シャーリーズ・セロンはレイプ・DV・セクハラの被害者であり、その中で闘いながら生きている姿を決して演技過剰にならずに好演しています。フランシス・マクドーマンドの、ストーリーのもう一方の中心となるほどの力強い演技もいいです。最後のテロップをみると、原題のNorth Countryにもそれなりの意味があるみたいですが、日本語題名のスタンドアップも作品の意図に沿ったいい題名だと思います。不当な扱いに「立ち向かう」というのは、まさに「起立する」ことなのですね。最後はほんとに泣いてしまいました。今ではセクシャル・ハラスメントは日常語になっていますが、この作品の舞台は1989年、和解が成立したのが1998年。ほんとつい最近のことなんですね。
【ひよりん】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-02-12 20:45:18)(良:1票)
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