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わあー、60年代のATG低予算映画的気合いプンプンの作品。ノスタルジーと一番離れたような作風だが、なんかとても懐かしかったのは確か。こういったとんがった「ひとりよがり」が日本映画から消えてしまって久しい。でも、映画史って「ひとりよがり」が普遍を獲得していく歴史でもあったわけで。あの政治の時代を内側から体験した監督がどう総括するのか、と思って見ていたが、総括なんかしない。地下の革命家まで呼び出して、さらなる討論と試行錯誤(思考錯誤と表記したいところ)を繰り広げる。もうトリックはいらない、と叫ぶ主人公。現在の眼からはあの政治の季節は、ついに思考が地に足をつけられなかった観念の時代と見えるが、あの時代の眼でこっちを眺めれば、その無思想ぶりは、誰かがわざと仮装させているなんらかのトリックにしか見えないのだろう。
【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-02-19 12:23:35)
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