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冒頭から寓話精神で始まる。樹の下の少年がおいでと呼びかけると、花びらが手のひらに舞い降りてくるの。有名俳優をけっこう使って、ミュージカル性も添えた。音への配慮がいつもどおり素晴らしく、衣擦れの音と雨の音が競い合ったり、羊の鳴き声の使い方とかいい。広い池は出たが海は出なかったな、この監督フェリーニと同じで海好きかと思っていたけど。これ主人公の三人の女性遍歴ものと見ることも出来そう。彼にとって真っ当な夫婦こそが、最大の憧れの対象だったのでは。他人に利用されることに極端に敏感に反発を感じてしまう主人公だったのが、修道士になっても心の平安が得られず、つまり自尊心が強すぎるという罪の保持者なんだろう。それが村人たちに善意の手助けをする生活で救済されていく、って話なのか。神様って、人に使われるのがヤな人が代わりに必要とするものなのかもしれない。この主人公、そういうことでずっと疲れている印象がある。この監督は俗人たちの話のほうが合ってると思う。「標高」の高い映画で、空気は澄んでいるけど、低地の俗人たちの俗な世界のほうが懐かしくなる。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-01-25 09:41:45)
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