処女の泉 の にじばぶ さんのクチコミ・感想

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処女の泉 の にじばぶ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 処女の泉
製作国スウェーデン
上映時間89分
劇場公開日 1961-03-18
ジャンルドラマ,ホラー,モノクロ映画,犯罪もの
レビュー情報
《ネタバレ》 こんなにも美しく、そして残酷な映画は観たことがない。
世界広しと言えど、こんな映像はベルイマンにしか撮れない。
それくらい鮮烈な映像だ。

少女の強姦シーン。
これほどまで残酷で鮮烈な強姦描写は観たことがない。
観ていて悪寒がはしった。
動悸がした。
心がざわざわとする程の強烈なシーン。

この強姦シーンを、ここまで際立たせた要因は、少女の美しさに尽きる。
冒頭で、少女が神がかり的な美しさを見せる。
これ以上ない美しさ。
心乱されるほどの、強烈すぎる美しさだ。
この、少女を美しく撮った冒頭部分があったからこそ、後の強姦シーンの痛ましさが際立った。

89分と短い尺ながら、体力を非常に奪われた。
なんていう美しさ、なんという不快な作品だろうか。
この不快感には、どんなスプラッター映画も、どんなホラー映画も、足元にも及ばない。
神秘的な美しさと並存する不快感。
私はイングマール・ベルイマンという監督に畏怖する。

ベルイマンにしか取れない独創性の極めて高いモノクロ映像。
美しい少女と、その少女を極めて神秘的に美しく撮った手腕。
ベルイマンという人が、いかに凄いかを確信できる作品だ。

終わらせ方やラストシーンに疑問は残るものの、並外れた作品であることに疑いの余地はない。

この不快感を基に点数をつけるとすれば、0点のインパクト。
美しさを基に点数をつけるとすれば、10点のインパクト。
あまりに両極端で、点数をつけるのが非常に難しい作品である。

いつかは再見したい作品だが、再見する勇気が湧いてこない。
最後に湧いた「処女の泉」は、私にとってなんの慰めにもならなかったのだ。
にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-02-17 21:04:37)(良:1票)
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