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《ネタバレ》 「家族」映画がここまでくるのに2010年まで我々は待たなければならなかった。この一つの事実がこの映画を画期的なものにしている。この映画はニックを男性で描けば、何の変哲もないパターン化された家族映画である。しかしニックは女性である。果たしてこれは「男が女に変わっただけ」と言われて4,5点をつけられてしまうような事実なのであろうか。私はそうは考えない。20世紀に生まれた映画が、21世紀に入って初めてこのような作品を生み出したことは決して偶然ではないのである。レズビアンカップルは「典型的な」家族になることができる。浮気や子供の反抗期やカップル間の不和に悩み、おいしい食事や楽しい会話や子供の旅立ちを喜ぶことができる。この事実を克明に描く点で(しかもレズビアンカップルであることは子供たちは所与のものとしており、そこを争う映画ではないのである)この映画は画期的である。レズビアンカップルの誕生を描くのではなく、それは既に前提なのである。新しい家族像をこの映画に求めるのは筋違いというものだろう。この映画はその「家族」に彼女たちを含める、言い換えれば彼女たちをスタートラインに立たせるものなのだから。
【Balrog】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-20 00:48:29)
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