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《ネタバレ》 マカロニ・ウェスタン(英語ではスパゲッティ・ウェスタンらしいが)へのタランティーノの愛が爆発している映画。正直相当の映画ファンでないと細かいところまでオマージュを読み取れないんだろうけど、そのへんはこれまでのタランティーノ映画でも同じです(そこまでのレベルになりたいものです…)。ただいかにも70,80年代映画の撮り方(ズームアップや早撃ち!)は「おおぉー」と唸らされます。「荒野の用心棒」に典型的なように、寂れた町(そしてそこには保安官が)にストレンジャーがやってくる、という構図がそのままそっくり再現されています。そして黒人が馬に乗っている点がタランティーノのオリジナルです。町に入るシーンはイーストウッド「ペイルライダー」そっくりです。個人的にはビールを注ぐシーンが最高でした。そしてなんといってもフランコ・ネロ! 邦題は「続・荒野の用心棒」ですが、原題は「ジャンゴ」という映画でフランコ・ネロはジャンゴを演じていました。その彼が、ヴァルツたちがディカプリオと初めて出会う屋敷で、ディカプリオと奴隷を戦わせている白人を演じています。そしてJ・フォックスのジャンゴと共に酒を飲み、新ジャンゴが旧ジャンゴに「ジャンゴ。Dは発音しない」と言うシーンは痺れます。これこそ最大の西部劇への賛辞でしょう。他の点では、イングロリアスバスターズに見られた緊張感と殺戮というパターンが繰り返されていますが、どちらをとってもやや及ばないと自分は思っています。マカロニ・ウェスタンへの愛を感じる映画です。まだ本作を未見の方は是非「荒野の用心棒」「続・荒野の用心棒」を観てからごらんください。余裕があれば「マンディンゴ」も是非。
【Balrog】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-02 10:19:26)(良:1票)
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