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描かれているのはジーナ・ローランズ演じるメイビル、ではなく実際はその周りにいる人々だろう。夫のピーターフォークはもちろん子供、実の母親、後に父親、義母、同僚たちとの関係は、仮借なく彼らの人柄、場を映し出している。その意味でメイビルは鏡のような存在である。ところで彼女は本当にこわれているのか?私は「こわれゆく」女という邦題はやりすぎだったように思う。すぐにキレて暴力を振るうピーターフォークだってふつうではない。under the influenceという原題のニュアンス。そして帰ってきたメイベルに対してピーターフォークが「ありのままの自分でいろ」と訴えるシーン。そしてラストシーン。これをどう解釈すべきか。子供たちにとって彼女は女神なのである。the influenceは一般的には酒やドラッグを示唆するが、この映画はまた違う「影響」を感じさせる。それは人間と人間の関係に入り込んでいる常識や「ふつう」といった見方なのではないか。
【Balrog】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-08-30 00:57:05)
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