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《ネタバレ》 新海誠の真骨頂。演出も作画も作家性がバリバリ発揮されていて、公園をはじめ風景描写は過去最高に冴えているし、全体に充満した青臭さも良い。エンディングに流れる、大江千里のカバー曲「Rain」が、ピッタリ過ぎて、この曲から発想を広げてこの映画を作ったのかと思えるほど。人物の動きの描写も絵であるのに血が通っているように大変繊細で、足を測るシーンなどは激しい露出も無いのになんと官能的なことか。(パンチラや乳揺れなどオタクが喜ぶような下品なエロ描写をしているアニメは見習え!)また主人公とヒロインの部屋や持ち物などの物品が、その人物の背景を浮かび上がらせるように大変細かく作り込まれており、本棚が映ったときは一時停止してまじまじと眺めたよ。
主人公がセリフで自身を15歳だと言ったとき、え!中学生かよ!となったけど、高校に上がりたての15歳でありなるほどと思ったが、あんなに大人びた15歳いないだろう。また、15歳が27歳の女性に惚れるか?というのもちょっと疑問。私も今となっては雪野先生と同い年だが、15歳の頃は20代前半でも凄いおばさんな感じがしたものだが。(まぁ19歳で42歳と婚約したアーロン・ジョンソンの例もあるから一概には言えないか) ストーリーは予想外の展開を迎えることなく、予定調和な盛り上がりをみせ、なんてことない話だけど、鑑賞後は短編小説の読後感のようにじんわりと心に染み渡っていった。新海誠らしくヒロインの雪野もストーリーも、童貞が妄想した理想のお姉さんとその恋愛劇で、こんな女おれへんやろ!という感じだが、最終的に二人は遠距離の状態で手紙をやり取りする関係になるので良い落としどころだった。 最後に一言。雪野が新潮文庫の夏目漱石著「行人」を読んでいるシーンで栞を使用しているのだが、新潮文庫なら本に付いてるスピンを使うだろ普通! 【eureka】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2018-01-07 19:47:43)
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