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《ネタバレ》 日本特撮怪獣映画の原点にして頂点。おそらく本作を超える怪獣映画はどんなに頑張っても製作出来ないだろう。自分が生まれて初めて観た怪獣映画がNHKで放映された『ゴジラ』だったのは感慨深いものがあります(たしか日曜日の夕方だったことまで40年以上たっても記憶に残っています)。 円谷英二の特撮は単なる技術の成果ではなく、ゴジラの「見せ方」へのこだわりがリアルな恐怖を生んでいる。当時のハリウッド映画では主流ではなかったゴジラのスーツアクションも、技術的に未熟だったためにあまりに重くなり過ぎたことが却って“巨大な生物”としての生態を感じさせることに成功しています。 そして海外の人には決して理解されそうもないのが、日本人にとってゴジラは“戦争の災禍”と“核の恐怖”の表象として恐怖心理を刺激することでしょう。シリーズを重ねるごとにゴジラの恐怖が薄れてゆくのは、戦後の復興と経済成長が重ね合わされて興味深いところです。しかし21世紀の今日、日本人は再び“原発が吐き出す放射能の恐怖”に直面させられることになったわけで、『ゴジラ』が持つテーマ性はこれからも色あせることはないでしょう。
【S&S】さん [地上波(邦画)] 10点(2011-04-07 00:16:48)(良:1票)
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