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《ネタバレ》 昨今リアルな世界ではAIの進化が話題になっていますけど、AIとは言っていないけど人間的な思考能力を持ったコンピューターが世界を支配するというプロットはSF映画の世界では60年代から登場し始めています(元祖は『2001年宇宙の旅』のHALなのかな)。いまや色んな作品で使われるありふれたプロットなんですが、現実社会がやっとSFに近づいてきたって感じなんでしょう。それでも人間の意識をサイバー世界にアップロードする(正直その理屈はイマイチ理解できないですけど…)という発想は、珍しいというか初めて出会った気がします。要は人間の脳みその中身とコンピューターが一体化するってことなんだけど、それって『ロボコップ2』のケインとどこが違うんですかね? というわけで怪物いや神みたいな存在となるのがジョニー・デップなんですが、開幕して三十分で死んでしまいます。天下のジョニデが主演で二時間の上映時間で三十分しか出てこないなんてあり得ないわけで、あとはモニターに映るほとんど静止画面みたいな登場になります(このジョニデも実はCGだったりして)。ところが劇中でなんかコソコソやってるなと思ったら、どういう理屈かは判らんけど細胞から創造して元の肉体を復活させちゃうんですからぶっ飛んでます。自分の配下の面々に憑依できる能力まであったのだから、てっきりそいつらの肉体を使って奥さんと子作りするのかなと勘ぐってました、でも昔そんな映画あったよな(笑)。 まあ終わってみれば、典型的な風呂敷を広げ過ぎて収拾がつかなくなった映画という感想に落ち着きます。技術者や科学者を大量殺戮したテロ組織がいつのまにか人類を破滅から救う善玉みたいになっちゃうし、ほんとにそれでいいのか?穿った観方をすれば、肉体の滅亡=死と復活というところはキリスト教的な脚本と言えるかもしれません。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-12-15 22:14:26)
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