ユナイテッド93 の あっかっか さんのクチコミ・感想

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ユナイテッド93 の あっかっか さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ユナイテッド93
製作国,,
上映時間111分
劇場公開日 2006-08-12
ジャンルドラマ,サスペンス,歴史もの,実話もの
レビュー情報
公開時は、「アメリカのプロパガンダになってるだろう」と思ったのと、世紀の大事件を映画化するにはあまりに時期尚早な印象で、観る気はしなかった。今般、アメリカも「テロとの戦い」を大義名分に好き勝手したツケがようやくまわって国民意識も変化し、政権も交代し、また他国にそうそうちょっかい出す余裕も無い経済危機に直面している。なので、自分でも今は「公平」な目で鑑賞できるのではと思って観ることにした。そしてなんともリアリティがあるのに驚いた。これは手技のことを言ってるのではない。いや、むしろ映画として、リアリティを追求するが故ハンドカメラを多用しすぎるのはいただけず(酔う)、特に管制塔や軍など地上のシーンでの手ぶれはまったく不要で、これは難なくらいだ。私が驚いたのは、「人間」の描き方のリアリティの方。映画は私などよりはるかに「公平な」目で描かれていたのだ。乗客を英雄に仕立てても、ハイジャッカーを悪魔のように描いてもいなかった。ハイジャッカーたちの惑い、焦り、祈りながら自らの使命を遂げようとする様は、していることは許すまじきテロでも、あくまで人間くさく、「狂信にとりつかれた鬼」には見えなかった。そして、乗客。“ただのハイジャックでない、どこかに降りて人質を順次解放ということはない、彼らは我々と共に死ぬ前提で乗り込んでいる”…それを知り、何もしなくて死ぬなら何かやってやれ、可能性はある、極限状況の中でそう判断した乗客も、まさに窮鼠猫を噛むといった緊迫感で、英雄的に描かれているわけではなかった。(彼らをワシントンを救った英雄に祭り上げ、乗客の言った“let’s roll”を「テロとの戦い」のスローガンに持ち上げてイラクに乗り込んだブッシュは犯罪者だと思う。こんな風に利用されていいはずがない。)「人間」をリアルに描こうと試みた監督の気迫が伝わってくる。フィクションが含まれていることは解っているが、私は犠牲者への追悼を強く感じ、どうしてこのような事件が起きなくてはならなかったかを、深く考えさせられた。
あっかっかさん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-03-14 18:38:21)(良:3票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2014-12-24愛を読むひと7レビュー6.65点
2012-09-11HACHI/約束の犬6レビュー6.67点
2011-11-09クリープショー2/怨霊6レビュー5.33点
2011-10-0713日の金曜日(2009)6レビュー5.13点
2011-10-04さよなら。いつかわかること5レビュー5.88点
2011-10-03クリープショー7レビュー5.94点
2011-10-01ベガスの恋に勝つルール5レビュー5.87点
2011-09-29ファイナル・デッドサーキット 3D4レビュー4.87点
2011-09-2613日の金曜日PART25レビュー4.48点
2011-09-17親指タイタニック5レビュー3.37点
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