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《ネタバレ》 まず、ちょっと勘違いしていたのだけど、あのドアはタイムマシンではなくてパラレルワールド的な、隣の世界への扉だったのですね。だから5年前の自分を殺しても、現在の自分には影響が無いのね。いつ消滅するのかと思っちゃった。それでは話が展開しないわけですが。
”そっくり”だけど”自分のじゃない”擬似家族の気持ち悪さがうまく醸し出されていると思いました。娘は気付いて懐かないし。ああそうなるのか、と変に納得しながら観ていたら、あの扉は他の人にも開かれていてすでに「先輩」がいるという驚きの展開であります。どうしても視野が主人公エリアになってますからこちらも。 生きるため自分を殺すって、どういう心理になるのかな。自殺とも違うし。そこらへんが描かれてなかったのが残念。 摩訶不思議なストーリーをこしらえたものですが、ラストの納まり方は奇跡的にベストな形になりました。子を失った夫婦二人が元の鞘に納まってつくねん、と庭に佇む。別世界で生きる娘の姿を心に抱いて。違うのは流れる時間のみ。 喪失に出会っても、乗り越えるより他に術はないのです。取り戻せないものへの、心の対処を不思議な筆致で描いた作品でありました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-17 00:08:02)(良:2票)
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