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《ネタバレ》 孤島に集められた連中が殺し合いをする映画で、宣伝では「バトル・ロワイアル」(2000)の流れをくむものとされている。今になればもうこの手のものなど見なくていい気もするが当時はまだしも新鮮味が残っていたものか。題名は「キル・ビル」(2003)と「リアル鬼ごっこ」(2001年発行)から借りたのかも知れないが、鬼ごっこにはなっていないので看板に偽りがある。殺戮の残虐度が低い上に緊迫感もなく、人間を盛大にぶち殺したい観客の意向には全く応えられないと思われる。
テーマについては監督本人がいろいろ語っており、作り手が何も考えていなかったわけではないことはわかる。一応紹介しておくと、17歳くらいの少年少女に生死の問題を意識してもらうこと、また欠点との向き合い方を考えてもらうことが重要だということで、要は17歳前後の観客が見る映画ということである。また出演者の言葉として、これを見る時は部屋を暗くして仲間と騒ぎながら見てもらいたいと言っていたのは本質をついている面もあるとは思うが、そういう場面で本当に有用なのかも若干疑問がある。 個人的感想としては登場人物の反応がいちいち鈍いのが非常に苛立たしく見えたが、映像的には絵として見映えのする場面も多いように思った。撮影場所は島ではなく静岡県とのことである。 登場人物に関しては、誰ひとりとして17歳には見えないがそれを言っても仕方ない。ヒロインはかろうじて18歳くらいだと思うが大人びているのでセーラー服が似合わない。また近年もあることだがダンスグループのメンバーが大挙出演しており、そのせいか劇中に特に必然性のないラップとかダンスの場面が入っていたりして、噂に聞くインド映画とはこういうものかと思わせる。その程度はまだいいとして、突然の剣劇などは若者向けの趣向とも思われず、こういうストーリーと無関係な演芸を披露するのはさすがに不可解だった。 またエンディング後の追加場面は、製作上の要請でやったとのことだが明らかに不要である。ただ明らかに不要な印象を受けることからすれば、逆にこれは無視して構わないという意思表示だったとも取れる。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 2点(2018-05-30 21:51:14)
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