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《ネタバレ》 淡々とした映画だが、映像的に美しいのでそれほど退屈しない。余計な人間が映っていないため世界の果てのような印象がある。背景音楽としてシベリウスのValse Triste(劇音楽"Kuolema"(死)の1曲)を流していたのはわざとらしくもあるが、使い方としては効果的だった。
現地は地質的に安定した場所とのことで、この映画でも技術的なことはあまり問題にされておらず、制作者も「地震や火山のない地域」であれば可と考えていたようである。代わりに後世に危険をどう伝えるかの方に重点が置かれた形になっており、この辺は日本人としてはずれを感じるところだが、ナレーションが未来の人間に語りかける形式のため、映像の印象と相まって10万年後の伝説を語るようなファンタジックな感覚がある。ナレーションに出る「君」は英雄志向の若者のようなイメージだが、最後は洞窟の怪物の返り討ちに遭って終わったらしい。 登場人物としては、一緒に出ていたスウェーデン人のオジサンとオバサンが微妙に慣れ合った感じで和む。一方でフィンランド政府の当局者?(肩書きがアドバイザー)は、映像的には黒で悪人イメージながら人物がいかにも頼りなく、これは本物かどうか疑わしいような気もする。 なお公式発表によれば、わが国でも先月下旬の閣議決定で最終処分の基本方針が改定され、これまでは外部の法人に任せていた候補地選定に「国が前面に立って」取り組むこととし、「国が科学的有望地を提示し、調査への協力を自治体に申し入れる」ことまでするらしい。同時に国民の理解を深めるためとして全国でシンポジウムなり説明会を始めているようで、そういう点で時宜にかなった映画とはいえる。 【かっぱ堰】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-18 00:58:44)
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