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《ネタバレ》 「ハロウィン ナイトメア2」(2015)の方は前に見たが、この映画の主演が「かぐや姫の物語」(2013)の主演声優だったとのことでこれも見た。「かぐや姫」の方はあまり可愛げのないキャラクターだったが今回は当然顔出しで、自然体で活動的な編集者の役がなかなかいい印象である。ちなみに劇中の編集長には美少女の娘がいることが次作で明らかになる。
基本的な性質としては低予算ホラーだが、監督と脚本家が「口裂け女2」(2008)と同じのため一応期待が高まらなくもない。短い映画ながら主人公をオカルト雑誌の編集者という設定にして、10年前から続く不気味な事件の謎を解明していく形にしている。日本でハロウィンのホラーというのは無理やりだが一応の説明は付けてあり、変な外来種を持ち込んだために、国内で被害が拡大していく結果を生んだ関係者は罪深いと思わせる。 また不自然さ(制作側にとっての都合よさ)をそれほど感じさせない作りになっており、登場人物の微妙にユーモラスな掛け合いや皮肉な物言いが気の利いた印象を出している。最初の事件が小平市といった地味目の地名だったことや、職場でフォトショップが使える、フェイスブックも効果がある(ない)といった具体的な事物が劇中世界と現実との距離を縮めていた。それにしても登場人物が何で「甲府事件」(1975)なるもの(ストーリーと直接無関係)を重視していたのかはわからない。スタッフの中にこの手のマニアでもいたということか。 視覚的には黒い霧などは安っぽいが、全体的には絞った形でスリリングな場面を設定している。最後の12分間を視覚化するための場所選定も(多少無理はあったが)効果的で、エンディングにつながるところも心地いい。主人公はよく頑張ったと言ってやりたい。 なお雑談として、主人公の友人が真昼間に襲われた場所は千代田区とされていたが、撮影場所は川崎市の武蔵小杉(中原区小杉町)にあるカフェだったらしい。いかにもただの古い住宅を改装した作りで、同種のものが「ハロウィン ナイトメア2」でも使われていたが、近年こういうのが好まれるようになっているということか。現地は「シン・ゴジラ」(2016)にも出たタワーマンションが林立する地区に接しており、長期的な土地利用でもないだろうが、空き家のとりあえずの活用方法としてはよさそうな感じである。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2018-06-30 20:23:04)
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