桜ノ雨 の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > サ行
 > 桜ノ雨
 > かっぱ堰さんのレビュー
桜ノ雨 の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 桜ノ雨
製作国
上映時間98分
劇場公開日 2016-03-05
ジャンル青春もの,学園もの,音楽もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 有名かも知れないが一応説明しておくと、「桜ノ雨」とはもともと「ニコニコ動画」で初音ミクの歌う歌として発表されたもので、現在では卒業ソングとして定番化しているらしく、動画投稿サイトで検索すると各地で児童生徒が歌う動画が上がっている。その歌のイメージをもとにした小説版を原作にしたのがこの映画であり、主人公の名前「未来」は小説版に由来しているが、元は初音ミクから来たものらしい。
内容としては原曲のイメージ通り素直な気分で見られる青春ドラマになっており、人の気に障る要素をわざわざ入れたがるリアル路線の作りにはなっていない。キャラクター設定を始め人物の行動や効果音にマンガのようなところが目につくが、極端なのは前半のコメディ部分だけである。また特に先輩(部長)役がとても高校生には見えず、これはさすがにミスキャストではと思ったが、少女マンガのような先輩役をシレっと演じるにはこのくらいの役者でなければならなかったのかも知れない。
最初と最後には全ての発端になったエピソードが出ていたが、ここでの「桜の雨の中にいた」という図柄がまたいかにもマンガのようである。そこで振り向いた主人公が少し小首をかしげてみせるのもわざとらしいが、その辺はまあ微笑ましいので嫌いでない。

一方でストーリーを真面目に見た場合、合唱の世界とは縁のない自分としても納得できないものになっている。「好きな歌うたって、楽しければそれでいい」を大前提にしてしまっていたが、気に入らないものを好きになろうともしないのでは世界が広がらないだろうし、また真剣に取り組んでいれば逆に愛着がわくこともあるだろう。そういう葛藤なしで結局「桜ノ雨」が全ての解決法というのでは、いくら歌が出発点の映画にしても話が簡単すぎる。理性的観点からすれば絶賛できるお話には全くなっていないが、それでも個人的にそれほど悪い映画に思えなかったのは、やはり合唱というものが本来持つ力のせいだろうという気がする(正直泣けた)。
もう一つ、「こんなんじゃ楽しめない」という主人公の爆弾発言は容認できないが、何かベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章の”O Freunde, nicht diese Töne!” に通じるものがあるような気がして自分としては全否定できなかった。そこまでは関係ないか。

なお映画と関係ないが、今年もNHK全国学校音楽コンクール全国大会にうちの地元の高校が出場することになっている。○高がんばれ。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 6点(2016-09-23 19:58:12)
かっぱ堰 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-11-23ミテハイケナイ都市伝説 ~闇に葬り去られた人間失格者達~<OV>4レビュー4.00点
2024-11-16はちみつレモネード8レビュー7.50点
2024-11-02スイング・ステート5レビュー6.33点
2024-10-19バーバリアンズ セルビアの若きまなざし5レビュー5.00点
2024-10-19コーカサスの虜6レビュー7.41点
2024-10-12VIRUS ウィルス:325レビュー5.00点
2024-10-12SHOT/ショット5レビュー5.00点
2024-09-21ディストピア 灰色の世界4レビュー4.00点
2024-09-21あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。6レビュー6.16点
2024-09-14恐怖ノ黒電波6レビュー4.00点
桜ノ雨のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS