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《ネタバレ》 どこか南の島のこぢんまりした静穏な劇中世界ができている。女性の登場人物が多いがあからさまな美女などはおらず、外見よりも内面を見せようとする映画のように思われる。題名の歌をはじめ突然のセッションなど音楽で聴かせるところもあり、この雰囲気に乗ることができれば、映画全体を好ましいものとして受容することができるのかも知れない。
しかし自分としては各所にある微妙な齟齬のようなものが気に障って共感が妨げられる映画だった。 そもそも少女が音を不快に思うのは音感がどうとかいうより音のずれを脳が許容できるかどうかの問題ではないかと思ったが、序盤では発達障害か何かを示唆したように見えながら、最後には単なる気の持ちようで終わった感じなのははぐらかされた気がする。また母娘それぞれの事情~思い~行動の関係とか、サックス奏者がバイオリン奏者に喧嘩を売った経過など、話のつなぎに食違いが生じているようなのは気持ち悪い。 そのほか個別の台詞や行動などにも何かと違和感のあるところが多いが、そういうことが気になって素直に映画を見られないのは、少女と同じく特殊な性質のために生きづらい人生を運命づけられた人間と思うべきか、あるいは少女と同じく心を開けば共感できるはずだということなのか。よくわからないがグルーヴの問題か。 物語的にも最後に何がどうなったのか正直わからず困惑するばかりの映画だったので、点数は4点が限界である。ちなみに、序盤のステージ上で音楽家同士が揉め始めたのと、落ち込んでいる少年にバイオリン奏者がちょっかいを出していたのは面白かった。 付記:エンドクレジットの「撮影協力」に「環境庁慶良間自然保護官事務所」とあったので、これは一体いつの時代に撮ったのかと思ったが、出演者の顔ぶれ(特に伊東蒼さん)からすると今の映画としか思われない。単純な誤記ではないかと思うが、こういうものの事務的なチェック体制などはないということなのか。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 4点(2017-10-12 23:53:11)
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