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《ネタバレ》 読売テレビのドキュメンタリーをもとにして日本テレビが製作した高校チアリーディング部のドラマである。ちなみに映画・TVドラマの「チア☆ダン」のチアダンスとは違うもので、映画の台詞で「誰かを放り投げたり」と言われていた方の競技ということになる。もとのドキュメンタリーは大阪府豊中市の高校の出来事だが、このドラマで見えた海や船溜まりのある風景は神奈川県三浦市だったらしい。
物語としては、前年に全国大会で優勝した際の部長が突然死去し、一度は意気消沈していた部員が奮起して、次の全国大会でまた優勝を果たす話である。「スポ根」ではなく「チア根」(苦しいことを楽しむ)だそうだが基本的には根性物で、当然ながら存在する選抜漏れの部員も含めて最後はそれぞれ得るものがあったという話になっている。劇中使われる「でーきーる」という掛け声はよかったかも知れない。 苦情としては、まず当初時点の低迷と最後の高揚の差を大きくしたいのだろうが最初の方を落ち込ませ過ぎで、本当にこんな悲惨な状態から全国大会優勝まで持って行けるのか怪しいものだという気がして来る。まあこういうドラマはだいたいそういうことになっている気はするわけだが。 またコーチを狂言回し的な役割にしていたらしいが成功しているとは思えない。いたる所でコーチの声でナレーションが入るが、まるきり当事者意識の感じられない観察とか論評ばかりでコーチの人格が疑われる。登場人物としても、自主性を重んじる建前らしいが部長や部員が苦しむのを眺めて放置するだけで、コーチの役割というものをどう考えているのかわからない。口を開けば皮肉か叱責か説教で、「練習の雰囲気が暗すぎる」とはお前のせいではないのかと言いたくなる。どうも「チア☆ダン」とあまりに開きのある人物像で呆れてしまった。 キャストについては当時注目の若手を揃えて人目を引く形になっており、3年生役は実際に全員が17~18歳くらいだったようで可愛らしい(今より)。撮影前には訓練でいろいろさせられていたようでご苦労様だが、どうせ若いから多少きついのは何でもなかろうと思ったりもする。個人的に人物+外見で一番いい役だと思ったのは主人公の親友(演・市川由衣)だった。ほか部長に指名されなかった瞬間の沢尻エリカの表情が好きだ。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2019-01-22 20:59:46)
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