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《ネタバレ》 「時をかける少女」の類似品として見たが、原作を先に読んでしまったため差分ばかりが気になった。
まず感じるのは原作の清々しさが著しく損なわれているということである。少年少女向けライトノベルをそのままで映画化できないのはわかるとしても、よくもこれだけ不快な要素を加えたものだと感心する。犯人の邪悪さを強調するためだけに人が2人も死んでいるではないか。また冒頭のヒロインをはじめ、登場人物に奇矯な行動が目立つのも気になる。小説ではみな良識的な人々(犯人を除く)だったのだが、映画というのはまともな人でも変にして見せないと済まないものなのか。それから本編の最後に「カット」が入るのは反則だろう。時かけ1983版でも、原田知世PVが始まるのは本編が完全に終止してからである。 そのほか、これは映画のせいではないが、ここでいうタイム・リープとは人体を含めた物的な要素はそのままで、意識だけが時間を移動するということらしい。しかし、意識というものが身体とは別に物理的な実体を持ったものだということを科学的に説明できない限り、SFではなくオカルトになってしまう気がするわけだが、それでいいのかというのが率直な疑問である。 そういうわけで、ほめることを探そうとしてもなかなか見つからないが、原作と比較せずにただの映画として見れば、まあ普通の娯楽映画だと思う。 なお全くどうでもいいことだが、劇中で登場人物が「誰かが犠牲になってまで、成し遂げられるべきことなど、ないと思います」と言っていたのはその場の雰囲気で口にしただけだろうが、もしこれを本気で言っていたのなら、おまえは宇宙戦艦ヤマトを見たことはあるか、と聞きたくなる。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 4点(2012-03-04 22:18:13)
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