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《ネタバレ》 「地球防衛軍」というものの古い事例として、自分としては「ウルトラセブン」に出る組織をまず思い出すが、日本で最初にこの言葉を使ったのはこの映画なのではなかろうか(根拠なし)。この後、特撮モノから近年のゲームソフトまで用語として一般化しており、Wikipedia日本語版では普通名詞のように扱われるに至っているが、その発端となったところにこの映画の揺るぎない価値が認められる(と思う)。
それでこの映画では、まず気恥かしいほどあか抜けないリズムを刻む(スタタタ スタタタと聞こえる)勇ましいマーチが非常に強く印象に残る。 また映像面でも古いなりに健闘しており、光線兵器で戦闘車両が白熱するのは怖いし、円盤の映像もなかなかよくできている。森永チョコレートの広告塔の背景に、高空を飛ぶ円盤が見える場面は印象的だった。ほか特に、富士山麓の宿場町のような場所に超近代的?ロボット怪獣が現れて、高度成長期前の伝統家屋を光線兵器で攻撃するというのは現代の目で見るとミスマッチだが、逆にいえばこういう時代にこういう映画を作ったのだということが改めて思い知らされる。このロボット怪獣は世間では笑われることが多いようだが、山道の途中で崖から出て来たのは実際に直面したら怖いだろう。またヒロインの入浴場面でも、素っ裸の状態で窓の外にこんなものが見えたら、もうどうすればいいかわからなくなるのではと思う。 一方でストーリー的には、最初の方こそ何かが起こりそうな期待感と不安感の入り混じった展開だが、後半では地球側が正面攻撃を延々と続ける印象があって(よく見ると山も谷もあるのだが)、正直退屈なのが残念である。 ところでこの映画の形式上のヒロインは白川由美さんの方だろうが、河内桃子さんもほとんど同格の存在感があって、ダブルヒロインの豪華状態である。二人ともきれいな人で、他の拉致女性と比べてもすらりと背が高い。また河内桃子さんは相変わらず可愛らしい人だが、敵の意図を知らされたことで泣き出してしまう場面はまことに痛々しい。こんな女性を人身御供に出してはならないと思えば、男が戦いに赴く動機の原点を描いた映画だと評することができなくもない。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-07-01 21:32:10)
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