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《ネタバレ》 記憶に新しいボストン・マラソン爆弾テロ事件を背景に、爆発で両足を失ったもののたくましく生き延びたある一人の〝英雄〟の知られざる苦悩を描いたヒューマン・ドラマ。描きたいテーマやメッセージ性などやりたいことは分かるのですが、いかんせん監督の演出力がそれに伴っていない印象を受けてしまいました。肝心の爆発現場の描き方も意外にあっさりしているし、心に引っ掛かる部分も少ないまま全体的に淡々と進んでいってしまうのです。例えば主人公がゴール付近で恋人を待ってたときに持っていた手書きのポスターなんか、映画上格好の演出アイテムになりそうなのにほとんど活用しないままスルー。爆発の煙にその幸せメッセージの描かれたポスターが焼け焦げて宙に舞うとかいうシーンがあれば、もっと観客の心に響くはずなのにと勿体ない気分になりました。それに両足を失い自暴自棄になった主人公が仲間と文字通り二人三脚で車を運転するシーン。地獄を這い廻るような生活を送っている主人公の魂の叫びを観客の心に刻み付ける格好の場面になるはずなのに、追いかけてきた警察官の「握手してください」というセリフだけで終わってはいかんでしょ。こういう細部の雑な演出が凄く残念。いくら事実を元にしていても、映画としての脚色をもっと大事にしてほしかったですね。また、ヒロインの恋人の台詞ではないですけど、この主人公、いくら自分が不幸な目に遭ったからって周りに甘えすぎでしょ!終始甘ったれたような態度に、僕はとてもじゃないけど共感できませんでした。不幸なのはお前だけじゃないっつーの!事実の重みと、恋人役の女優の芯の強さを感じさせる魅力的な演技に5点!
【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2019-05-28 00:23:35)
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