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《ネタバレ》 19世紀末、ニューイングランド。絶海の孤島に建つ灯台を管理するために雇われた青年と彼を管理教育することになるベテラン灯台守。4週間という約束で、彼らは荒れ狂う海に囲まれたこの地へとやってくる。海鳥以外誰もいない不毛の地で、ただひたすら作業に従事する2人だったが、致命的なまでの性格の違いから彼らの間に徐々に不穏な空気が漂い始める。それもこれもあと数日の辛抱だと仕事に没頭する青年。ところが、迎えの船がやってくるはずの日に激しい嵐が島を襲い……。長引く孤独な生活から徐々に狂い、やがて破滅へと向かう2人の男をモノクロ映像という独創的なタッチで描いた不条理劇。分かりやすい娯楽性など皆無、終始重苦しい雰囲気で最後まで淡々と進むいわゆるアート系の作品なのですが、計算されつくした美しい映像と終始繰り返される印象的なアフォリズム、何よりロバート・パティンソンとウィレム・デフォーという新旧実力派俳優の熱演とで最後まで興味深く観ることが出来ました。冒頭から絶えず鳴らされる不穏なサイレン音が観客の不安感を煽り、終始不快な言動を繰り返す灯台守たちの存在も相俟って、観ているこっちまで気が狂いそうになってくるのは監督の狙いが成功している証。何度も主人公にちょっかいを掛けてくる海鳥だとか、幻想の中で現れるグロテスクかつエロティックな人魚など、一つ一つのアイテムの扱い方も巧い。灯台の光に偏執的な愛情を注ぐ先輩灯台守と過去の罪から逃れるためにやって来た主人公との濃厚な会話劇も深みがあり、見応えありました。何より単純にモノクロ映像が全て美しい!!そこまで自分の好みではなかったですが、充実した映画体験をさせていただきました。
【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2022-10-26 07:35:08)
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