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《ネタバレ》 韓国映画は本当にあざとい。日本ならちょっと恥ずかしくて避けるようなことも、照れもなくやりきってしまう。やりすぎだと引くこともあるのだが、そのド直球に魅せられることも。よくヤツ裂きにしたくなるような人非人が出てくるが、ここではいたいけな子供を陵辱する暴行犯。人工肛門をつけなければならないほどの傷を負い、心にもトラウマを負う我が子を見て、親のやりきれない心痛が伝わってくる。
子役の演技にも感心させられる。日本でもてはやされる芦田愛菜クラスが韓国映画やドラマには何人もいて、下手な子役は見かけない。特別な訓練でもあるのかと不思議に思うほど。ぬいぐるみを被って奮闘する親とか、犯人に殴りかかろうとする親を止める子供とか、あざとさ満載の作りなのだが、子役がすごいので見入ってしまう。 この映画の元になったナヨン事件は、外国のニュースではあったがあまりにも非道でショッキングな事件だったために覚えている。実際の事件はいくつかの点で映画とは異なっているが、幼女をターゲットにした人間の仕業とは思えない凶悪犯罪という点は同じ。被害者の少女が重傷を負ったのは、実際には犯人が証拠隠滅のために自分の精子を吸い取ろうと清掃用のラバーカップを使って大腸を吸い出して水で洗ったため。あまりにも生々しく陰惨な描写になるため、ここはさすがに変えたのだろう。 酒に酔っての心神耗弱で12年の刑に減刑されたのは映画と同じ。証拠隠滅を図っておいて何が心神耗弱だと怒りを覚えるが、仮に酩酊状態であったとしても、酒を飲めばそうなる可能性があるのは初めからわかっていること。酔っていたことは何の言い訳にもならない。酒の過ちとして犯罪さえも大目にみるのは悪しき風潮で、そんなものに手心を加える必要はない。この犯人の場合、過去に何度も性犯罪で捕まっているのだから、なおさら情状酌量の余地などない。 少年法もそうだが、凶悪な犯罪者に甘く、被害者に寄り添わない法律に反吐が出る。犯人が被害者の親に報復を臭わせるような言葉を吐いたのは、徹底的に悪人に描くための脚色だろうけれど。被害者の親なら犯人を拷問死させたくなる。でも、復讐や憎悪は何も生まない。この映画の親子のように自分たちが幸せになることだけを考えたほうがいい――なんてことは頭ではわかっていても、できるものじゃないような。やっぱり死をもって償わせたくなる。法が味方してくれないのなら、自分でと。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-06-28 00:36:55)
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