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本作から二年後に公開される「花婿の寝言」と二本セットで東京から海を渡ってきた生のフィルムを通して鑑賞する機会を得たのだからスゴイこと。MoMAさまさまである。
今までの印象では田中絹代を撮ってきた監督といえば小津・溝口であったわけであるが、本作を通してそれに先立つ形で五所平之助が燦然と存在していたことをようやく知ることになった。初トーキー「マダムと女房」(1931) からは2年が過ぎ、音だけが強調されたストーリーからむしろ小津初期サイレント作品でみられた立身出世モノに回帰しているようなフシもある。 斎藤達雄、江川宇礼雄、大山健二、飯田蝶子、坂本武といったキャスト陣は小津作品でもおなじみなだけにすでに安心感たっぷりであるが、その中に水久保澄子をみかけたときには彼女のその後の境遇を知ってしまったばかりに若干切ない思いも。 【kei】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-11-14 18:08:17)
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