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邦画評論家ドナルド・リチーの追悼映画祭での一本として鑑賞。
今村昌平初のカラー作品であり前半期の集大成とも称される本作は、返還直前の沖縄付近の様子を強烈に切り取ってくれている。戦後の経済成長に揺れる南海の「くらげ島」で繰り広げられるその人間臭い愛憎劇はかつて日本のどこにでもあったはずの土着宗教や若衆制度がどういうものだったのかというものをまざまざと魅せつけてくれる。このお話をどこかの南海の昔語りとして受け取るのではなく、こうしたこうしたものが今でも我々の意識下の根底に流れているのだということにぼんやりとでも気づきながら鑑賞することによってその価値は倍増する。 今村プロ設立時の社員でもあった武重邦夫氏による撮影当時の手記が作品研究資料としてネット上に存在。その内容の量と濃さ故に鑑賞後の閲覧を是非お薦めする。 【kei】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-03-31 07:10:21)
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