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《ネタバレ》 当時のトルコの街並みがきれいに描写される所から話は始まる。自らの罪で収監された主人公がミッドナイトエクスプレス(隠語で脱獄)に乗るまでの話。アランパーカーの才能が爆裂している、でなければオリバーストーンの才能が。どこまでも絶望に向かっていく無気力か無知な囚人たちと主人公。未来に希望を持てないとここまで人間は雑になるのか。他の脱獄ものは気骨ある囚人が活躍したりするのだが、本映画では皆無。かすかな気骨は内側の人間関係に向けられる。仲間への信頼。はめられた仲間への復讐。ホモ的な関係をやさしく断ったり…。冤罪ものじゃなくて救われる。自業自得感があるからここまでの悲惨な展開がうなずける。これで冤罪ものなら悲しくて観てられない。獄中の悲惨さは、よくある映画のハードな描写や「告発」のケヴィンベーコンのようなものではない。拷問シーンはあるがあと53日だった刑期が急に30年になったり他の囚人とのトラブルだったりじわじわくるもので描かれる。猫のシーンは参った。ジョンハート最高。私は勧善懲悪ものには感じなかったし、アメリカがトルコをばかにしているとも思わなかった。間違いなく名作。
【JF】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-04-23 16:34:21)
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