ロケットマン の えすえふ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ロ行
 > ロケットマン
 > えすえふさんのレビュー
ロケットマン の えすえふ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ロケットマン
製作国,,カナダ
上映時間121分
劇場公開日 2019-08-23
ジャンルドラマ,音楽もの,伝記もの
レビュー情報
《ネタバレ》 エルトン・ジョンは正直全然知らない。ビリー・ジョエルと間違えるくらいだ。そして本作についても僕はそこまでピンとこなかった。日本ではCMソングにもならないし、あまりラジオでも聞いた覚えがない。やっぱりクイーンの方が馴染みは強い。本作がボへミアンラプソディに便乗した映画に見えてしまったくらいだ…まぁ監督一緒なんですけどね。
しかもロケットマンと聞いたら「ふかわりょう」が頭に浮かんでしまう。
そんな彼の自伝的映画に僕は行く気はなかったのだが、誘いを受けて行く事に…もうそうなったらコチラも予習が大事だ。
そしたら見えてくる彼の面白さ。見た目は派手な事以外は知らない事だらけだ。「彼が世界で5番目に売れたミュージシャン」という事や「50年間同じ作詞家と一緒に曲を作っている」事など曲だけでは見えない彼のストーリーが見えてきた。特に作詞家との部分は非常に気になる部分だ。

本作「ロケットマン」は彼の成長、成功と孤独そして再生の半生が彼の歌に載せて描かれている。両親に愛されないでいながらも空想入り交じるミュージカル調の少年時代、作詞家バーニー・トーピンとの出会い、初のアメリカライブ大成功などハイテンションで描かれるシーンはこちらも胸が熱くなる。
特にバーニーと一緒に曲を作って行くシーンは誰かと一緒にモノを作った事がある人なら痛くわかる最高の多幸感が味わえるシーンだ。
あとジョンってそのジョンだったのね。

そしてゲイであるエルトンの恋の行方が上手く行くよう望むが、フレディと同じく彼もまた誤った方向に進んでしまう。悪いゲイのマネージャーはどこにでもいるもんなのか。
ドラッグと酒が彼を蝕み、成功を収めて行く一方彼の孤独はどこまでも深くなり、彼の煌びやかな舞台衣装が哀れなピエロに見える演出がなんとも悲しい。

そんな彼の哀しみの部分も良いのだが、とにかく長い。
しかも次々と彼の前に悲しい事件が出てくるのでこちらも顔面パンチを連打される気持ちだ。「一体エルトンはいつになったら立ち直るんだ…今か?今なのか?…まだか〜」の繰り返しなのだ。
音楽部分も非常に良いのだがどこか哀しみが深すぎるせいで前半ほどノれないのも悲しい。しかしこの曲部分がとても話とリンクして、幻想的な映像が幻覚か夢かわからない曖昧な彼の精神世界を表していて非常に良かった。

作詞家で親友でありエルトンの一番の理解者であるバーニーが出てくるたびに「たのむバーニー!救えるのはお前だけなんだ!」と叫びたくなってしまう。最終的に彼を救うのも彼なんだけど、このバーニーがとにかくイイ奴に描かれているのがまた良いんだ。フレディにはメアリーがいるように!エルトンにはバーニーが必要なのだ!
そしてラストの彼の復活の時なぜか僕は涙をこぼしまくっていたのでした。

主演のタロン・エガ-トンもこんな複雑な役を歌って踊ってやりきっているの凄いです。ってキングスマンのエグジーだったの?!マジか!

本作はエルトン・ジョンという人間の良い所も汚い所も容赦なく描き、それでいて幻想的な映像がとても面白かったです。
しかし彼の人生はまだ途中。彼の物語は今も続いているのだ。
なんだかんだで気になるアーティストがまた増えてしまった。
えすえふさん [映画館(字幕)] 8点(2019-09-10 11:58:19)(良:1票)
えすえふ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-02ゴジラ×コング 新たなる帝国8レビュー6.00点
2024-04-27オッペンハイマー7レビュー6.51点
2024-03-07ARGYLLE/アーガイル7レビュー6.25点
2024-01-30クネクネ<OV>3レビュー2.80点
2024-01-28劇場版 マジンガーZ/INFINITY6レビュー5.75点
2024-01-25ネイビーシールズ ローグ・ネイション7レビュー6.00点
2024-01-21見知らぬ乗客7レビュー6.85点
2023-11-12ゴジラ-1.05レビュー7.27点
2023-08-15霊幻道士7レビュー7.44点
2023-06-26遠すぎた橋6レビュー5.98点
ロケットマンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS