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《ネタバレ》 暴力的で不器用でそれでいて繊細。
その暴力には楽しさも快感もない、誰かに苦しみを分かって欲しい叫びである。 貧困と格差の固定によって生み出される負の連鎖の中、 サンフンがヨニと出会わなかったら、ここまで変われなかったのだろう。 上手くいけば足を洗えたかもしれない。 もちろん、映画は彼の境遇をしっかり描いていて根っからのワルではないことは分かるが、 現実は一度根付いたイメージを覆すのはあまりにも困難だ。 誰だって悲惨な現実の中、歯を食いしばって生きているで片づけられるだろう。 結局、サンフンは悲劇的な最期を遂げ、 彼に止めを刺すのが最初は大人しかったヨニの弟なのだから皮肉すぎる。 因果応報だがそれで済ませたらいつまでも問題は解決しない。 それでも自分が被害者だったら… ヨニが母を死なせたのがサンフン一味だと分かったら… いつまでも虚しい。 互いの家族が団欒で焼き肉を食べる温かみのある結末と、 不毛な暴力に突き進むヨニの弟の行く末の対比が余韻を残す。 低予算で荒削りを通り越して、汚さすら感じてしまう部分を補い余るエネルギーで圧倒される。 魂の映画。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-11-03 22:59:30)
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