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《ネタバレ》 ストーリーは気になっていてはいたが、今まで見る機会を逃していた。復讐もののはずなのに、序盤から認知症のおじいさんと旅先の人々との交流を描いたロードムービーで呆気に取られる。こんな状態で本当に目的を達成できるのか。ところが次第に違和感が浮上していき、ユーモラスに紡がれるシーンが挟まれていたからこそ、血の凍りつく顛末が何倍にも際立った。当時の記録映像や回想に頼ることなく、小道具だけで虐殺の視点を反転させる演出は見事。"ユダヤ人"として戦後生きてきた男が、実際はナチ看守だった主人公に深い絶望を与えるやり方がえげつなくて、被害者はいつまでも"憶えている"。その業と執念が強烈に焼きつく。"手紙"という脚本通りに事が進むのかは目を瞑っておくとして、クリストファー・プラマーの貫録ある熱演のお陰で高品質のサスペンスに仕上がっている。あまり予備知識を持たずに見て正解の掘り出し物。
【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 8点(2018-12-02 23:42:07)(良:1票)
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