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《ネタバレ》 過去の遺産を食い潰す邦画業界の中で出色の出来だろう。真のジャーナリズムとは何か、本当の正義とは何か、それだけ見て見ぬふりの現状に危機感を持っていると言える。本作はフィクションであるがノンフィクションと地続きで、どこが真実かどこが嘘かを自分自身で見極めなければならない。思想に関係なく、無関心であること、思考停止になることは国家の奴隷と同じ。安直に「妄想乙」と決め付けるだけなら誰でもできる。一番重要なのは本やネットの情報を鵜呑みにせず、"自分で考えること"、"行動すること"なのだから。日米韓のアイデンティティを持つ女性記者役がシム・ウンギョン(熱演)というあたりに、下手したら権力に潰されるかもしれない、日本の排他主義的な病理が垣間見える。松坂桃李の絶望とシム・ウンギョンの焦燥で分断されるブラックアウト。バッドエンドか否かを決めるのは他でもない自分たち。「私たち、このままでいいんですか?」。好きでディストピアを選んでいる人などいない。
【Cinecdocke】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-07-16 20:09:11)(良:1票)
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