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《ネタバレ》 切断された右手の冒険と持ち主の青年の半生が陰鬱に綴られる。独創的でグロテスクで美しい、フランスらしい芸術性の高いアニメーション。設定と作風故に序盤は拒否反応はあったものの、徐々に切断されたあの時に向かって集束していく展開に見入ってしまう。彼の人生は恋とかいった希望を求めては全部裏目に出てしまう過去ばかりであった。ああいうことをしなければ良かったという後悔と共に。その彷徨う右手はどこか希望への執着(=持ち主との接合)、未練みたいなものを感じているように見えた。右手と共にあった人生から切り離されれば、普通は絶望してしまうだろう。生きるも死ぬもどうでもいいとヤケだったに違いない。だが、彼は生きるという賭けに勝った。右手という希望を捨てて、現実に向き合って生きていくことを選んだ。その先は厳しく辛いことばかりかもしれないが、「人生は達観するもの」という真理を突いていると言える。
【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-01-13 23:40:10)
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