原子怪獣現わる の せんべい さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ケ行
 > 原子怪獣現わる
 > せんべいさんのレビュー
原子怪獣現わる の せんべい さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 原子怪獣現わる
製作国
上映時間80分
劇場公開日 1954-12-22
ジャンルSF,モノクロ映画,パニックもの,特撮もの,小説の映画化,モンスター映画
レビュー情報
《ネタバレ》  シン・ゴジラ(2016年)の公開を機に投稿いたします。
 当作品を観たのは、エメリッヒ監督のGODZILLA(1998年)が公開されるずっと以前。ゴジラ1作目(1954年)とセットにしてビデオで観ました。私の中での感想は、①ゴジラ1作目を観る前、②ゴジラ1作目を観た後、③GODZILLA(1998年)を観た後…と3つの時期に大別されるので、以下、順々に述べていきます。
 まず①について、ハリーハウゼンの特撮シーンは、リドサウルスの造形といい、実写との合成といい、当時の同時期の作品を知っている私としては、そのクオリティーの高さに感心しました。一方、リドサウルスを攻撃する場面や逃げ惑う群衆シーンは、映像がこじんまりとしており「噂には聞いていたけど低予算映画なんだな…」と痛感したものです。また、これはリドサウルスに限ったことではありませんが、海外の怪獣は、皆、銃の攻撃がそれなりに効くなど生物的な面が強調されており【軍隊の攻撃にもビクともしない日本の怪獣】に慣れていた私には、違和感がありました。
 次に②については、↓のとかげ12号さんのおっしゃる通り『太古の巨獣が核実験で目覚める→都市で暴れる→新兵器で倒される…』という点は、ゴジラ1作目のストーリーラインもそっくりであり、実は、当作品こそ、ゴジラの1作目の元になっているんだろうな…と思いました。ただし、ゴジラの1作目は「反戦/核の脅威への警鐘」といった真摯なメッセージを組み込んで見事にオリジナリティーを獲得していると思いました。その点、当作品における核実験は【怪物が現れるきっかけ】にすぎず、日・米の温度差を感じざるを得ませんでした。
 さらに③についてですが、真っ先に思ったのは「GODZILLA(1998年)は『ゴジラ』ではなく『原子怪獣現わる』のリメイクじゃないの?」ということでした。これは、公開当時の日本のマスコミでも話題になり、事実、後年になって、プロデューサーだったディーン・デヴリンが「もともと『原子怪獣現わる』のリメイクをつくりたかったが、資金集めが難しく、ゴジラのネームバリューを借りました」という趣旨の話をしていたとか…思わず納得したものです。
 さて、採点ですが、ハリー・ハウゼンが特撮マンとして独り立ちしたデビュー作であり、アメリカで当時、放射能関係で出現するモンスター映画が作られるようになった先駆けであり、ゴジラの元ネタ映画であり…と記念碑な作品だとは思いますが、特撮場面は良いとして、劇映画として「これは面白い!」と万人受けするかというと…他のレビュアーさん達もおっしゃっている通り、あまりお勧めはできないですね…。歴史的な意義とハリーハウゼン氏への敬意から、大甘ですが7点を献上します。
せんべいさん [ビデオ(字幕)] 7点(2016-08-06 15:09:44)
せんべい さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-08-04ゴジラ-1.010レビュー7.08点
2023-09-23Little DJ 小さな恋の物語8レビュー6.00点
2023-09-15ジャイアント・ウーマン6レビュー3.33点
2023-09-15妖怪巨大女2レビュー1.00点
2022-06-19光る眼8レビュー3.35点
2022-06-19続・光る眼/宇宙空間の恐怖8レビュー7.50点
2022-06-19未知空間の恐怖 光る眼8レビュー6.37点
2021-12-29雨に唄えば10レビュー8.08点
2021-12-04デューン/砂の惑星(1984)8レビュー5.65点
2021-07-24ファンタスティック・プラネット10レビュー7.34点
原子怪獣現わるのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS