サスペリア(2018) の sim さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > サ行
 > サスペリア(2018)
 > simさんのレビュー
サスペリア(2018) の sim さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 サスペリア(2018)
製作国,
上映時間152分
劇場公開日 2019-01-25
ジャンルホラー,学園もの,リメイク
レビュー情報
《ネタバレ》 前作が大好きな人間の感想ですが、サスペリアというものを、美しくもおぞましいものをとことん突き詰めて描く(他は知らない)作品という認識で観ており、前作でそれは大体成し遂げられてしまってもうこれは覆しようがないな、というところにリメイク……再構成の作品を作っても生半可なものでは劣化コピーにしかならないであろうところで、

主人公を赤毛にする

というアイデアですべてを持っていく力技で、わりと面白く見られました。
少なくともインパクトだけで言えばこれ以上のものは今年はもう観られないかも、という感覚です。

最初の惨殺のエグい場面が、前作の痛いけど美しいものと比べると、グロくて吐きそうなのは、インパクトは素晴らしく、あまり目に慣れてないモダンバレエとおどろおどろしい現代音楽風音楽で描くのもアイデアとして悪くはないと思い、最後のクライマックスでどこまで見るもおぞましい耐え難いものが現れるのかとワクワクした。

しかし終わってみると一番インパクトがあって恐ろしかったのは最初のあの場面だったというので、ちょっと肩透かしを食らわせられてしまいました。最後はあの何倍ものすごいものを見せていただきたかった。

ただ、現代芸術的なものをおぞましい恐ろしいものの象徴として使うセンスが100年前くらいのすごい古めかしいカビの生えたようなセンスで安直ではないか、というのがあってそこは何とかならんものか、というのと、あと魔女集団が成立する説得力として、第2次大戦~1970年代くらいの時代背景を持ってくるのは、悪くないと思うんですけど、見せ方のバランスに問題があってそれが上映時間の長さに直結してしまっており、前作と同じく90分程度にまとめられなかったものかと。デビット・リンチのおどろおどろしい系でも同じような時代背景っぽいものを匂わせることがあって好きなんですけど、そういうのはチラッと見せて、マニアが調べてみたら実はしっかりとした考証があった……とかいう程度のバランスが良いかと思いますが、本作では見せすぎかなあという印象でした。

エンドが前作と反転してることについては、主人公が赤毛になった時点でもう納得なので個人的に全然OKで、そっちを行くならスージーとマダム・ブランの絡みをもっとやってよ! という物足りなさはありました。

そんな感じです。
simさん [映画館(字幕)] 7点(2019-02-09 14:45:35)(良:1票)
sim さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-19アイアンクロー6レビュー6.00点
2024-04-11オッペンハイマー6レビュー6.73点
2024-03-25哀れなるものたち7レビュー7.64点
2023-11-07ゴジラ-1.08レビュー7.49点
2023-09-27ジョン・ウィック:コンセクエンス10レビュー6.88点
2023-08-30君たちはどう生きるか(2023)7レビュー5.84点
2023-07-28リバー、流れないでよ8レビュー7.75点
2023-07-19ヴァチカンのエクソシスト7レビュー6.62点
2023-05-21TAR/ター5レビュー6.00点
2023-04-25ピアノ・レッスン7レビュー6.65点
サスペリア(2018)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS