血と砂(1941) の Yuki2Invy さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > チ行
 > 血と砂(1941)
 > Yuki2Invyさんのレビュー
血と砂(1941) の Yuki2Invy さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 血と砂(1941)
製作国
上映時間123分
ジャンルドラマ,ラブストーリー,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 歌劇『カルメン』のドン・ホセとエスカミーリョをひっくり返した様なお話、とでもゆーか、極めてティピカルな(ひとりの闘牛士の)栄光と転落が描かれる。闘牛のシーンは当然俳優が演じてるワケでもないし、また特に前半の「成り上がり」の部分なんかはシナリオ的な工夫も欠いており、全体としてもそこまで内容に観る価値があるとも率直に思えないのだが、実際にはそこそこ以上に面白く観れてしまった…とゆーのがやはり俳優の質に要因あるトコロかと思う。

主人公フアンを演じるのは名優タイロン・パワー。才気を存分に迸らせつつ如何にも誠実そうでもありながら、この手のファム・ファタールに容易に惑わされそうという雰囲気も十二分で、ハマリ役である(『情婦』のイメージが頭の中にあるからかね)。そして肝心の妖婦ドニア・ソルを演じるリタ・ヘイワースはこちらも流石の妖艶さであるが、これと相対すべき正妻カルメンを演じるリンダ・ダーネルの美貌と風格がまた見事であった(これで弱冠17歳とゆーのは、少し驚きである)。闘牛と恋の双方でフアンを出し抜いてゆくライバル・マノロを演じるアンソニー・クインも、チョイ役ながら20代の爽やかさと「喰えなさ」を巧みに醸し出す存在感ある仕事。主人公に先んじて悲劇的な最期を迎えてゆく同僚ナシオナル役は、ジョン・キャラダインがこれも重厚な演技で担っている。

もう一人、主人公の母がこれも単なるチョイ役かと思いきや優れたキレと深みを兼ね備える演技で、地味に凄えなと思ったらこれがサイレント時代の伝説女優・ナジモヴァであった。やっぱ伝説ともなると色々と「違う」もんである。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-02 23:46:10)
Yuki2Invy さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-14aftersun/アフターサン6レビュー6.00点
トロイ(2004)6レビュー5.86点
2024-04-09ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世紀5レビュー6.67点
2024-04-06オーメン:ザ・ファースト6レビュー6.50点
2024-04-04オーメン/最後の闘争3レビュー3.71点
2024-04-03オーメン2/ダミアン5レビュー5.18点
2024-04-02オーメン(1976)8レビュー7.02点
2024-04-02愛の新世界7レビュー6.61点
2024-03-29オッペンハイマー7レビュー6.45点
2024-03-26SISU/シス 不死身の男6レビュー6.50点
血と砂(1941)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS