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《ネタバレ》 かなり久し振りに今回再見しましたが、前回と今回の間に邦画の「大奥もの」なんてのを幾つか観てみると、そりゃ題材もそーですが諸々と似てるなと⇒とは言え、今作の方が圧倒的に本格的とゆーか、どーにも「アート」だな…とは思ってしまいますかね。直接的な描写だって別にドギツいってコトではない(+間接的にだってそこまでそんなに「大奥もの」より凄まじいってコトではない)ですし、じゃあと言って音楽やらナンやらを聞こえよがしにかき鳴らす…なんてコトでもないのです。しかし、とにかくあの屋敷とゆーか城とゆーか、荘厳で重々しい・重苦しいのは当り前として、実に隅々まで見事なまでに「人間味」とゆーのが皆無であるコト!その中で、醜悪な権力争いを繰広げる夫人たち以外の登場人物もまた、人間性を碌に感じられない様な機械の様な連中ばかりで(⇒旦那なんて・旦那ですら、顔すら碌には映らないって有様で)少なくとも今作は、人間性には辛うじて絶望していない、けれど、人間の世界そのものに対しては(これも少なくとも、ある時期の封建社会に対しては)完全に心底から絶望している、という作品なのかなと思います(恐ろしい程に寒々しい)。また、主人公・頌蓮の有様にも、所々でどーにも納得できる様なできない様な、更には、人間の世界をここまで醜悪に描きながらも、端的な映像の力・美しさというのも一方で確実に備えているだとか、再見してもやはり、実に割り切れない思いが残る、という作品に思われますね(⇒それこそが「見応え」だという映画なのかなと)。今回も再び、完全に観入ってしまいました。傑作。
【Yuki2Invy】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2024-12-31 22:24:26)《新規》
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