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《ネタバレ》 本作の醍醐味は、シリーズ中、一、二を争う冷酷で傲慢な犯人が、おのれの犯罪計画を過信して勇み足したところを、百戦錬磨のコロンボの大バクチともいえる仕掛けに轟沈するという、大団円の爽快感にある。決め手になるコロンボの指紋が、今その場でつけたものだろうという犯人の言い逃れを封じるために、コロンボがご丁寧に手袋を着けていたのは手際がよすぎるが、そうしたご都合主義も娯楽作品ならではの特権であると思いたい。、
ただ不憫なのは、犯人から「愛している」だのと口車に乗せられて犯罪の片棒をかつがされた挙げ句、あっけなく惨殺される女子学生である。第二の殺人も犯人への容疑を強める材料となることが多いのに、今回は彼女の一件が犯人確定の糸口をまったく生み出さなかった。これでは彼女も浮かばれない、と脚本に不満を言いたい。 コロンボの「人をけなしてお金がもらえるなんて、いい商売ですな」というセリフに表われているように、インテリ(今回は美術評論家)という人種のもつ嫌味をコロンボが小市民の感情を代表するかのようにチクリとやるのも毎回の楽しみである。 【あやかしもどき】さん [DVD(吹替)] 8点(2020-07-17 20:58:55)
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