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典型的なタイプキャスティングだがそれがとても良い。坂本、デビッド・ボウイともにとにかく美しい。ただ、日本人を狂信させたものがわけのわからない「神」であるとか、小道具の恩赦のたばこを出すくらいで「天皇制」を表現し、お茶をにごしたところが残念だった。特に、226事件の「輝ける青年将校の一人」となるべきだった坂本龍一の役は、天皇信奉の思想なくしては語れない。西欧人には分からない当時の思想なのだから、分からないものとしてしっかりはっきり描くべきだったと思う。だからこそ日本人と英国捕虜との間の軋轢と葛藤が生まれたのに。この作品の根幹をなすべき大事な部分だと思うのだが。でも、あのようにただファナティックに仕上げた方が、西欧人には分かりやすいと思う。だから、これは西欧人大島渚がつくった映画だと思う。
【はんな】さん 7点(2002-04-28 19:08:19)
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