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ロリコン映画だという批評があるとは知りませんでしたが、この作品が美少女の色恋沙汰を見せる映画でないことは確かです。レオンの言葉には父性と母性の入り混じったものを感じますし、マチルダの方は、これ以上愛する家族を失いたくないという気持ちが滲んでいます。これをロリコンにたとえる人は、たぶんそういう志向の人か「家族」という視点が欠落しています。実際、ナタリー・ポートマンは魅力的です。あの年齢にしては、ある種、強すぎます。しかし、レオンに「二人で暮らそう」と言わせるには、レオンを圧倒してしまう感情の現われがなくてはなりません。そのあたりが、ジャン・レノを食ってしまうほどの演技になったんだと思います。オーディションも撮影中の演技指導も厳しかったんだろうなと想像してしまいました。ハッピーエンドにしなかったのは、しなかったんじゃなくてできなかったんだと思います。常に危険と隣り合わせの自分が誰かを愛してよいのか、というレオンの苦しみは、死ぬ瞬間にやっと晴れたのではないでしょうか。また、マチルダ自身に仇を取らせてやりたい気にもなりましたが、それはレオンが決して望まなかったことなので、これはしかたないかな、とも思います。ラストで、鉢植えの植物を学校の庭に植えるシーンはいいですね。あれは、これからずっと学校にいるからあなたも一緒に、という決意なんでしょうか? 私は、どこかレオンの住んでいそうなダウンタウンにある公園の片隅の方がよかったように思うんですが。
【おじさん映画ファン】さん 8点(2003-05-24 01:27:43)
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