実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 の 椎名みかん さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
 > 椎名みかんさんのレビュー
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 の 椎名みかん さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
製作国
上映時間190分
劇場公開日 2008-03-15
ジャンルドラマ,犯罪もの,実話もの
レビュー情報
とにかく怖い!下手なホラー映画なんかよりよっぽど恐ろしい。
見所は、のちに「山岳ベース事件」と呼ばれることになる凄惨なリンチシーン。
「総括」というワケの分からないものを強要され、自分の「同士」であるはずの仲間から集団で暴行を受ける、という、その理不尽さに身の毛がよだつ。
特に「遠山」というどこかおっとりした女性が自ら顔を殴って、顔が無残に腫れあがるシーン(これを映しだす映像がまたやたら長い)や、その後縛られてトイレに行けずに漏らしていたり、ついには気がふれるところなど、ちょっとトラウマになるくらいの怖さ。
こんな背筋の凍る思いをできるだけでも、この映画は非常に価値がある。
もっとも、3時間にも及ぶこの長編映画で評価できるのは、作品の中程にあるこの「山岳ベース事件」のシーンのみで、それ以外は正直見るべきところはない。
最初にえんえんと連合赤軍の軌跡のようなものを語るのだが、これはかなり退屈。また後半にはあさま山荘に立てこもるシーンが描かれるのだが、これも、まあいってみれば刑事モノでよくあるような立てこもってドンパチやってるだけのもの。しかも、制作費が相当にケチられているようで、そのドンパチにもまるで迫力がないお粗末な出来。そもそも、あさま山荘を取り囲む機動隊の姿が一切出てこないとかありえないだろう。あさま山荘事件の象徴的な「クレーン鉄球攻撃」シーンも直接描写がなく、残念である。
また、このあさま山荘のシーンで、メンバーの一人が突然「おまえらには勇気がない!だからこんなことになったんだ!」みたいなことを語りだすシーンがあるのだが、これがかなりずっこける。ご丁寧にBGMまで流して、なんだかそのシーンがこの作品の重要な「主題」のような感じなのだが、しかし、「どうして勇気?」と首をかしげざるを得ない。作品を通して、彼らの行動に「勇気がなかった」と、そんな風に描かれることが一度だってあったか?彼らの行動はすべて、勇気を通り越して「無謀」の域に達していて、少なくとも「勇気がない」という感じでは全然ない。とってつけたようなテーマ性みたいなの入れるのはやめて欲しいもんだ。
あと、細かいようだが、映画の冒頭で「この作品に描かれることはすべて事実だが、一部フィクションも含まれる」などと説明があるのだが、全て事実なのに、一部フィクションとはこれいかに?MMRの注意書きじゃないんだからさ(笑)
椎名みかんさん [DVD(邦画)] 8点(2010-07-25 01:21:22)
椎名みかん さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-08ALONE/アローン2レビュー4.33点
2024-03-18サリュート77レビュー6.55点
2024-03-09ハンニバル(2001)6レビュー5.57点
2024-03-09スノーデン2レビュー6.43点
2024-01-06ノマドランド5レビュー7.07点
2024-01-05エイリアン:コヴェナント6レビュー5.75点
2023-12-23ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男4レビュー6.64点
2023-12-12ダンケルク(2017)3レビュー6.02点
2023-11-24TENET テネット3レビュー6.14点
2023-11-127月4日に生まれて6レビュー5.74点
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS