6.典型的ホラーのような邦題がつけられてしまった作品ですが、
(見ればこの邦題の意味も分からなくはないのですが・・・)
ヒッチコックの「サイコ」より2か月早く公開されたというサイコスリラーです。
解説の町山氏が指摘するように、既にこの世にいない親が、今も子に与え続ける影響など、
確かにサイコスリラーというジャンルのみならず、中身にも共通点が見られる同時期に公開された2つの作品ですが、
一方は今も巨匠ヒッチコックの代表作の1つという地位を得ているのに対し、
一方はメディアから酷評され、マイケル・パウエルはその後復活することは出来なかった。
もう1つ感じたのは、本作の主人公からはこの手のサイコスリラーの主人公特有の薄気味悪さが感じられず、
作品自体も全編を通して品を感じさせる雰囲気を持っており、良くも悪くもイギリス映画らしい作品の空気を感じさせます。
主人公の男に関しては、あのノーマン・ベイツのアンソニー・パーキンスと比較されたらさすがに気の毒かもしれませんが。