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個人的にはかなり好き。まず、「12モンキーズ」という意味不明なタイトルにひきつけられた。謎のウィリスによって人類が死滅寸前にまで及んだ2035年、生き残ったわずかな人間は地下都市で生活しているという設定も斬新。生き残った科学者達がひとりの男をすべてが始まった1996年に送り込み、ウィルスをバラまいたと思われる“12匹の猿軍団”の正体をつきとめるという奇想天外な発想に、テリー・ギリアム独特のダークな世界観とビジュアル・センスを加え、ただのSFに終らせず、アーティックな作風を加えた見事な作品に仕上がったようだ。1990年に精神科医キャサリン・ライリー博士の前に突然現れた謎の男ジェームズ・コール。精神病院から失踪し、6年後の1996年に再び現れた彼に誘拐されるキャサリンだが、しだいに彼の言っている事がすべてただの妄想だという説明ができない真実を知った時、彼女の信仰は揺るぎはじめる。何が真実なのか、何を信じればいいのか、戸惑いながらもジェームズの唯一の救いとなり、彼の力になろうとする、そんな信仰と疑惑の間で揺れ動くひとりの女をマデリン・ストウが見事に演じていたように思える。タイム・トラベル、地下での生活、人類滅亡、それらはすべて想像の産物であり、実際に存在していない。映画の途中で、ジェームズ・コール自身がこれらがすべて自分の頭の中で創り上げた妄想だと思いこむようになる展開に、観ている私自身も本当に彼はただ妄想をいていただけなのか?と思ってしまったが、結局、何が現実で何が妄想と夢だったのかという謎と疑問は映画の最後まで分からない…。