生活に追われるシングルマザーが、見えざる“何ものか”にレイプ .. >(続きを読む)
生活に追われるシングルマザーが、見えざる“何ものか”にレイプされると聞いたら、ロン・シルバ-扮する精神科医じゃなくとも「こりゃ性的欲求不満の果てのヒステリー性妄想だわな」と考えるのがフツーでしょ? それを、あんなにもご大層な「ゴーストバスターズ」みたいなオカルト研究機関が登場するとは…。このハナシが実話ってことはその組織も実在していたってこと? こちらの方が、よっぽど“ホラー”かつバカバカしいよなあ。たぶん脚本家もそういった「バカバカしさ」こそを皮肉るように、ロン・シルバーをヒロイックに、超常現象研究者たちを悪役に描き分けていただろうはずなのに(その痕跡は至るところに見られる)、もはやすっかり才能もやる気も枯渇した「御用監督」フューリーが、「余計なメタファーもダブルミーニングも面倒臭いぜ。フロイトなんぞ、俺の映画を見るような観客にゃ必要ないっ! 要するにエロな要素で味付けしたオカルト・ホラーで儲けりゃエエんや!」とばかりに、さっさとデッチ上げたのが、これ。でもさ、そのへんの“裏目読み”ができるところが、逆にこの映画の「面白い」ところなんじゃない? バーバラ・ハーシーも、実はそのへんのところをよく分かっていて、このヒロインの言動をどっちともとれるように演じて、観客に「考える」余地を残しているし…。うん、捨て難い見どころがあったと思いますよ、この映画。