今までのマイケル・ベイ監督、ジェリー・ブラッカイマー製作の娯 .. >(続きを読む)
今までのマイケル・ベイ監督、ジェリー・ブラッカイマー製作の娯楽映画と比べてずば抜けていいというわけでもないし、戦争映画として捉えた場合(そういう見方をしてはいけないのかもしれませんが)、「戦争はだめだよ」というメッセージのかけらもありませんでした。『プライベート・ライアン』の最初の30分のシーンを撮り終えた時、トム・ハンクスは、「本当に怖かった。戦争の残虐さを身をもって体験した」と語ったそうです(リップサービスかも知れませんが。笑)そんな思いを、今作の出演者で体感した人が一人でもいるのでしょうか。また、80年代の作品である『プラトーン』を観て私は、戦争の恐ろしさを本当に知った「気がしました」が、今作ではそういった感情は微塵も起こらなかった。結局、戦争を題材に娯楽映画を撮ること自体、どうなのかと思います。しかも中途半端な歴史認識の下に。日本人の描写のいい加減さも今に始まったことではないのですが、きっちり認識して真摯に描けば、たとえアメリカ万歳的な内容であったとしても反感を買わない程度の作品にはなったと思います。作品自体としてみれば、このような理由や恋愛描写の程度の低さ(キャストも、ジョシュ以外は大根だと感じました。)を差し引いても3点くらいは残るかと思いました。が、「日本版にはパイロットが『逃げろ』って言うシーンを付け加えた」ってどういうこと?? 私が知らないだけで、これまでの作品にもそういった「すり替え」が存在したのかもしれませんが、日本の観客を完全に馬鹿にしてるとしか思えないです。隕石とか宇宙人とかを敵に回してアメリカ万歳って言うのなら「勝手にやってろ」と思うけど、実在の私達の祖先をつかまえて罵倒しておきながら「失礼の無い程度に編集したから、観て金をくれ」っていうのは(捉え方次第でもあるけど;;;)、もはや心遣いでもなんでもない、最低にデリカシーのないやり方だと思います。編集で本来のものと異なる「日本版」を観せる事は、私達を騙している事。そういった配給方法は、「目の前に映し出される映像を見て評価することしか出来ない」観客の弱点を突いている、汚いやり方なので、その点に-3点しました。