<ネタバレ>この映画、20代の独身の頃に観た時は、あまり印象に残っていな .. >(続きを読む)
<ネタバレ>この映画、20代の独身の頃に観た時は、あまり印象に残っていなかったんですが、近頃BSの放送で再見したら、これが泣ける、泣ける。70年以上も前に作られた映画の物語がこんなにも身につまされるなんて! まあ、私もこの主人公と同じくらいの年代の子どもを三人抱え、似たような経済状況(失業こそしていませんが家計は火の車っす)。いやが上にも感情移入してしまうさあ。 下↓の方もおっしゃってますが、真ん中の娘の病気が治って無事退院してきたのはいいけれど、タンスの中の着物は入院費用を支払うのに売っぱらってもぬけの殻。でも、家族みんなで朗らかに(?!)手遊びをするシーンは、成瀬の『はたらく一家』のラストシーンと並ぶ、「素晴らしき哉、家族!」な感動的なシーンでございましたよ。 この頃の小津の作品は、戦後の完璧な作品群と比べるとどこかぎこちないのですが、新しい映画を志向する才能豊かな若い作家特有の情熱が画面から溢れ出ているので、それだけでも観ていてウキウキワクワク楽しくなってしまいます。あ~あ、オイラも生まれてくるのが五十年遅かったよな。