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うむ!非常に知的で刺激的な現代寓話ですね。ハリウッドって何だかんだいってこういう奇想天外なアイデアをきちんと映画化しちゃうんだから、侮れん。あのモノクロのプレザントヴィルってところはまるで絵に描いたような「古き良きアメリカ」だけど、実はそれって白人(特に、いわゆるワスプ)にとってのものなんですよね(本来マーガレットの彼氏になるはずの、いかにもな白人の名前が「ホワイティ」というのが象徴的)。あそこには有色人種はいないし(後半で色のついた人々を「カラード」と呼んでいたのには笑った)、多分ゲイとかもいないはず(というか存在が無視されている)。そう考えると、後半街のカラー化を阻止しようとする人たちっていうのはアメリカの保守層(ゲイや有色人種、あるいは多様な文化を嫌う人々っていう意味での)の象徴なんじゃないかな。ま、色んな解釈・深読みが出来ると思うんですけどね。個人的には「ただ過去を懐かしむんじゃなくって、現在と未来を肯定していこうよ」っていうメッセージが込められている気がして、そういう意味では「クレヨンしんちゃん・モーレツオトナ帝国の逆襲」に通じるものがあるんじゃないか、と思ったりもしました(ただし「モーレツ~」は「決して良い事ばかりじゃないけど、それでも俺たちは生きていくんだ」という「苦味を伴った意思」があったのに対し、この作品はちょっと楽観的過ぎるかなっていう気もしますが)。それにしても、この作品を「ファミリー映画特集」にこそっと紛れ込ませたBS-NHKの映画担当の人は良いセンスしてるなー(BS-NHKでの映画のセレクトに関しては【おばちゃん】さんが「マーズアタック!」のところでも指摘されてますけど、ひょっとして同じ人なのかな?)。