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昨日(5/9)の「虎ノ門」でさんざんこき下ろされてたこの「X-メン2」。曰く「こんなのは映画でもエンタテインメントでもない、ただのアトラクションで、観ても何も心に残らない」。ううっ、ひどいよ井筒監督ぅ~「スパイダーマン」は結構評価してたじゃないかあ。せめて前作観てから評価してよ。「X-メン」のところでも書いたんですけど、ミュータントっていうのは現代世界情勢の中の差別されていたり迫害されている国や民族の象徴だと思うんですよ。マグニートー(前作の悪の親玉。ミュータント)が実はナチに迫害されたユダヤ人ってところがミソなんです。ずっと迫害され、やっとの思いで自分たちの国を作ったユダヤ人が、じゃあ他人の痛みのわかる人々になったかって言うと、パレスチナの人々に対してかつて自分達がされたような迫害をしてたりするわけですよね(←別に僕はユダヤ人に対して悪意を持っているわけじゃないです。念のため)。そういう、なんていうのかなあ、単純にどっちが正義でどっちが悪とか、どっちが被害者でどっちが加害者とか(←何しろこの両者、時には劇的に逆転したりするんですから)単純に割り切れないこの世界を、かなり荒唐無稽で漫画チックとはいえ、表現してると思うんですよ、「X-メン」シリーズって。今回の映画でも(以下部分的ネタばれ)人間に対する怒りのあまりマグニートーについていく決意をした生徒が出てくるんですけど、これも僕にはテロリストとかゲリラに(やむにやまれず)なってしまう人たちとダブって見えるんですよ(別にテロ行為を是認するわけじゃないですよ、重ねて念のため)。そういう意味で、ホントいい映画だと思うけどなあ。・・・なんだか映画評なのに堅苦しいことばっかり書いちゃいましたけど、純粋に娯楽として、それこそ「アトラクション」としても楽しめると思います。これ、もう完全に「スタートレック」みたいなシリーズものとして作られてますね。凄く楽しみ(でも反面「キャラクター商品とかもいっぱい売れるんだろうなあ。高度資本主義社会って一体・・・」とか思ったりもしますが)。そうだ、キャラクターの中では、僕もはがっちさんと同じでナイトクロウラー(この人、「スパイキッズ」でテレビ番組の司会者やってた人かな?勘違いだったらごめんなさい)が良かったです。なんかすごく哀しい感じがして、キュンと来ちゃいました。ともあれ、これから観る人は是非前作で予習してから。[良:6票]