この作品、観る前はただひたすら重ーーいだけっていうのを想像し .. >(続きを読む)
この作品、観る前はただひたすら重ーーいだけっていうのを想像してたんですけど、意外にもほのかにとぼけたユーモアが随所に観られて(とはいえやっぱりあの変な日本人には閉口。別に腹は立たないけど、何だかなあ。そういや「TAXI」にも全然ハングル語に聞こえない言語を話す韓国人が出てたけど・・・フランス中華思想?)楽しかった。それにしてもあのジャック・メイヨール、瞳がキラキラしてて笑顔がやたら無防備で「生まれたての赤ん坊」という表現があったけどまさにピッタリ。いろんな意味で“innocent”なキャラでした(お笑いコンビ“カラテカ”の矢部太郎にもちょっと似てたけど)。ジャン・レノもごついくせにママには弱いという魅力的な役を好演してましたね。結構辛口の評価が多いみたいですけど、これはどちらかというと「考えるより、感じる」映画じゃないですかね。ラストシーンは自殺という後ろ向きなものではなく、深海という美しくも恐ろしい所、誰にも行くことができない所へ向かっていく、ということの象徴なんじゃないかなあ、よくわかんないけど。結構余韻が残りました。僕は完全版の方(167分!)をビデオで観ちゃったんで、正直ちょっとかったるかったところもあったんですが、これ、夏の夜とかに映画館のでっかいスクリーンで観たらかなりトリップできる気がしますね。とにかく映像と音楽が綺麗でした。観る時はなるべく日常性を排した状態で観ることをお勧めします。